「要件事実論」がわからなくて3日ほど悩んだ

 7年くらい前に購入した司法書士試験の不動産登記入門テキスト。めくってみると、最後の方まで書き込みや、アンダーラインが引いてあるので、いちおう最後まで通読したのだと思う。でもまったく中身を覚えてない。なぜだろう。

 最初に基礎事項として、「法律要件」「法律効果」というのが出てくる。ここまではなんとなくわかる。問題はそのあとの「要件事実」だ。何度読んでもちんぷんかんぷんで呆然とする。たとえば「ある物事の本質とは、それを成り立たせている必要十分にして最小限の要素であるため、何が要件事実となるのかは、法律要件の本質を徹底的に考えることで判断する」とか。

 ウィキペディアで見てみると、要件事実論はもともと大学では教えられておらず、司法試験合格者が司法修習で学ぶべき内容であったらしい!法科大学院が設置されて以降、法科大学院で要件事実が教えられることとなり、研究が盛んになったということだ。

 ためしにネットで名古屋大学大学院法学研究科の「要件事実の考え方ー大陸法英米法の考え方の融合をめざしてー」という記事を読んでみたら、日本語として整っていてすらすら読めるし、大陸法英米法の考え方を比較できるので、内容がよく理解できた。

 ある事件に法を適用する方法(大陸法の考え方)は、ざっくりいうとこんな流れ。①実体法のルール(要件と効果との結びつきのルール)を前提として事実を認定し→ ②認定された事実が実体法の要件に該当するかどうかを判断する→ ③認定された事実に対して実体法を適用して結論を導く

 今までは、書式の過去問を解いてみても、事実関係をどういう視点で処理したらいいのかわからなかった。そうか、実体法のルールを頭に置きつつ、事実関係の中から要件事実を見つけ出せばいいのか。ただし、何を要件事実とするかは、法律要件をどのように解釈するかに関わってくる難しい問題であるらしい。

 3日もかかったけど、これでなんとか前に進めそう。