打ちのめされるようなすごい授業、放送大学『人間にとって貧困とは何か』

貧困問題、永山則夫格差社会などについて考えてみたい人にお勧めします。ラジコで聴けます。「第1回 孤立と零落」から私の気に入った部分を抜粋します。

 

貧困に関連する現象を取り上げ、社会的背景と関連付け、なぜそうなるのかを明らかにする。我々が安易に寄り掛かりがちな、人間観、社会観、貧困観を批判し、そこから距離をとる。手っ取り早く役に立つような貢献は考えない。あるべき政策とか、実際的援助技術は他の専門家に任せる。この社会における貧困体験の理解、貧困を作り出す社会のあり方の解明について議論する。

 

貧しさは同じ境遇の者同士の連帯や相互扶助をもたらす可能性をもつ(社会主義共産主義民族主義、宗教運動も元々は貧者の連帯から始まった)。現代の貧困が連帯や相互扶助ではなく孤立をもたらすという事態は、日本に限ったことでなく、豊かさを垣間見た全ての人と社会に現われ得る普遍的な現象であるように思われる。