11科目をひと通り終えた。講義、テキスト、ひながた、過去問。細かい内容はほとんど忘れてしまった。ただ、問題文を読んだとき「これは何の科目のどの分野の問題で、あのことをきかれているのだな」ということはわかるようになった。あとは忘れた部分を覚えて、知識の精度を高め、解答スピードを上げるだけ。
本試験まであと3ヶ月を切ったので、間に合わないかもしれない。けど、ここまできたのだから、あとはやるしかない。
11科目をひと通り終えた。講義、テキスト、ひながた、過去問。細かい内容はほとんど忘れてしまった。ただ、問題文を読んだとき「これは何の科目のどの分野の問題で、あのことをきかれているのだな」ということはわかるようになった。あとは忘れた部分を覚えて、知識の精度を高め、解答スピードを上げるだけ。
本試験まであと3ヶ月を切ったので、間に合わないかもしれない。けど、ここまできたのだから、あとはやるしかない。
心を掻き乱す出来事が次々と起きる。直前期はこころ静かに試験勉強に集中したいと思っていたのに。
平静とか平常心なんて、求めて得られるものではないし、本試験中には、問題量に圧倒されてパニックに陥る可能性が高いのだから、むしろ異常事態の下で、問題を解くことに慣れておいた方がいいのかもしれない。
「この瞬間、瞬間に、若さとか、年寄りとか、力があるないとか、才能とか、金とか、あらゆる条件を超えて、その持てるギリギリいっぱいの容量で挑み、生きるということだ」と岡本太郎は言った。
私も子育て中は、そんなふうに生きていた。子どもが生まれつき難病だったので、運命に立ち向かうことを決意し、全力を尽くしたのだった。
子どもが独立してからは、ずっと惰性で生きてきた。ほんとうに生きてるとはいえない年月を過ごしてしまった。
そうか、自分は一度死んだと思って、また始めればいいんだ。
「自分に能力がないなんて決めて、引っ込んでしまっては駄目だ。今まで世の中で能力とか才能なんて思われていたものを超えた、決意の凄みを見せてやる、というつもりでやればいいんだよ」
「この瞬間、瞬間に若さとか、年寄りとか、力があるないとか、才能とか、金とか、あらゆる条件を超えて、その持てるギリギリいっぱいの容量で挑み、生きるということだ」